文 / 大谷祐
れもんぐらす。
それだけで想像ふくらむ新世界。なんて甘美でなんてうつくしい。ああ、意味重複。
だって、どうしたって、「れもん」に「ぐらす」までついているのですから。「れもん」だけでも想像ふくらむのに。どうしたことか。
レモンが好き。グラスという響きも好き。その様々なフォルムも好き。つまり「レモングラス」も好きという構図。解体すると、単純世界。
本当は、レモングラスはハーブだし、レモンはまだしも、グラスの意味違うし。わかっているのに、レモングラスはなんだか良い感じ。爽やかさ満載。
レモンの魔法だ。
レモンがついた魔法だ。
レモンのパスタなんて最高だし、カツレツにだってレモン。ウィークエンドはもう最高で、あとはレモンパイ、レモンケーキ、レモンクリーム(甘いものばかり)。レモンはやはりすごくて、想像ふくらんで、どうしようもなく欲して、ついにレモングラスすらレモンの魔法の仲間入り。
ああ、レモン。レモン。レモン。
わたしはあなたのことをもっと知りたい。
想像するだけで、口のなか、唾液占領。
大谷祐 Yu Oya
1989年群馬県生まれ
詩人
oya-u.com
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