わたしの退屈

文 / 大谷祐

明るい日
わたしはひとり
家で待つ

それから
窓を開けて
昨日までの
あれこれを追い出す

圧倒的な
日差しを
浴びないように

待つことは
苦痛ではない
待たれることのほうが
わたしは苦しかったりする

退屈な
日常を
いつくしむように

なにかを
追いかけようとするのは
危ういから

気がついたら
庭のシャクナゲが咲いていた

気がついたら
おなかがへった

それくらいが
ちょうどよかったりする

大谷祐 Yu Oya
1989年群馬県生まれ
詩人
oya-u.com