日記(2017年5月20日)

文 / 疋田義明

紙の上、数色のクレヨンをぐちゃぐちゃと塗り重ねる。そこから指で薄く伸ばしてゆくと、色が混ざり、灰色に近いほの暗い色が広がっていく。うっすらと光を孕んだような半透明な色は艶かしくてどことなく皮膚のようにも見えてくる。
雨上がりの庭で草花のスケッチをしている。花を見て描いては潰してを繰り返していく。花を描いていたつもりが、紙の上にのびた色は人にも見えてくることもある。花か人、どちらでもなくどちらでもあるような何物かになっていた。
家の近所、自転車を転がしている。少し遠くの緑を重ねる山の色を見る。春に潜んでいた夏の兆しがゆっくりといつの間にか表れていたようで色を濃い緑に変えていた。
信号機の柱の足下に身体を精一杯伸ばしているように緑が見える。黄緑、薄い緑の葉、赤紫の茎の伸びる中に点々と小さい五つの黄色い花びらが際立っていた。

疋田義明 Yoshiaki Hikita
1992年長野市生まれ
画家(無職)
2015年武蔵野美術大学油絵学科卒業
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