縞ペンギンに就ひて、または色列技法に就ひて

文・作品 / たかはしびわ

今年に入りて我、内容重視の以前の我が画に比べ若干造形性に重きを置きし「色ペンギン」なる画法に拠りて制作す。
筆触を生かし主に原色を以て画く、読んで字の如し。
其の筆触が整理されて縞と成りし頃より、色ペンギンは縞ペンギン(または年輪ペンギン)と成りたり。
縞を以てこの世の全てを画く故に、縞ペンギン也。輪郭内部にても輪郭に沿ひて縞が画かれたる故に、年輪の様也とて年輪ペンギン也。
地も図も共に縞にて構成さるる故に、図の形見難し。明暗の調子や色価に拠りたる空間も無し。されど若干の空間性は有り。
現在我、縞に如何な色を用ふべきか、縞の幅は如何様にすべきか、全て之感覚直感当てずっぽう勘にて為したり。
然れ共、其に多少の法則性論理性を持たせたき心持有り。
シェーンベルクの創始したるところの十二音技法、及び其を他の音の要素にも適用した総音列技法に其のヒント有り。
一音階に於ける十二の全ての半音を繰返す事無く並べ、其を音列と呼び、音列と其の逆行形、反行形、反逆行形、及び其れらの移高も用ひて全曲を構成するもの也。
其の音列の考へ方を色相環の色に置き換へて色列と成し、其の色列、及び逆行、反行、反逆行、其れらの移高、を用ふれば即ち画面上の縞を論理性を以て統御すべし。
また、色列を縞の幅の数列と見做せば即ち縞の幅もまた論理性を以て統御すべき事、論を待たず。
音列技法に倣ひて色列技法と称すべきか。

biwatakahashi-park-2013


たかはしびわ Biwa Takahashi 画家 1972年東京都生まれ 長野県在住 
長野二紀会会員 日本ペンギン党党員
1997 武蔵野美術大学油絵学科卒業 2006.7~ 『週刊さくだいら』にて『さくだいら美術探訪』隔週連載(2008年7月から4週に一度の掲載)2007 信濃毎日新聞短歌欄イラスト担当
たかはしびわのページ
2013年8月3日〜9月30日 / マツシロオルタナティブ / 池田満寿夫美術館
2013年11月アリコ・ルージュトポス高地(たかはしびわ展)
TOPOOS Highland Haricoit Rouge 2013
欧風家庭料理店「アリコ・ルージュ」
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