文 / 藤田治
鯉焼き
この度、端午の節句、善光寺門前に御菓子屋を構えさせて頂きました藤田九衛門商店と申します。
私は、今まで日本料理の板前として修行を積んで参りました。
御菓子については、茶の湯の稽古で造っておりましたが 、「造った事がある」程度、菓子店で本格的に働いた経験は御座いません。
今回 菓子屋を始めるにあたって、今一度勉強し直しておるところで御座います。
さて、和菓子とはいったい何か?どういう定義で和菓子と呼ばれているのだろうか?あんこ”が入っていれば和菓子なのか?油を使わなければ和菓子なのか?
大方の人は、あんこが入っていればなんとなく、和菓子と呼んでいる感じではないでしょうか?
現在のあんこはいつごろから広まってきたかと申しますと、砂糖が一般に出回り始めた江戸時代中期以降。つまり日本の歴史2000年の中のたった300年前のお話。それ以前は、果物、木の実。中国からの唐菓子。金平糖、カステラのような南蛮菓子。調べれば調べるほど和菓子とはいったい何か?判らなくなっております。
いつの日か近い将来、小豆のあんこは食卓から消えてなくって、まったく新しいお菓子が和菓子と呼ばれている日が、あるかもしれませんね。
和菓子の定義の結論は、今の私には到底出せません。今出来る事に最善を尽くし、人と人を繋ぎ”和”を取り持つ菓子を創っていくことに、精力を注ぎたいと考えております。
藤田九衛門商店 店主拝
藤田治 Osamu Fujita
藤田九衛門商店 代表
長野市東ノ門町400-2
080-3393-3729
fujita.kuemon@gmail.com
URL http://fujitakuemon.wordpress.com
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