ドラムサークルで気分爽快!そのわけは「癒しの物質セロトニン」

文 / 塩津知広

 「ドラムを叩く」という行為は、わけもなくキモチのいいものです。気分爽快、心機一転、ストレス解消、スカっとサワヤカ、・・・、だけど、どうして?そのわけをあえて探ってみました。
 このような心身の状態には、癒しの脳内物質「セロトニン」が大きく影響しています。

 無理をすることなく適度な外部からの刺激によって一定のリズムを刻み続ける(「ドラムを叩く」ことはその典型的な行動です)と、覚醒と平常心の神経「セロトニン神経」が活性化されます。そして、脳内神経伝達物質「セロトニン」の分泌がうながされ、ストレスを軽減して精神を安定させ心身の健康が増進するのです。

 具体的には、心身の爽快感をもたらす、気分が晴れてよくなったり、やる気がドンドン沸いてくる、寝つきがよく目覚めがスッキリ、食欲や性欲などの欲望を調整、栄養をエネルギーに変えて代謝機能を活性化する・・・などなど、健康にいいことづくめです。逆にセロトニンが不足すると、疲労がたまるなどの他に、肥満やうつなどの症状に向かう可能性もあります。
 セロトニンを適量に保つことは、健康でイキイキとした毎日を送るのに欠かせないことなんです。

 セロトニン分泌を増やす方法は(「ドラムを叩く」ことの)ほかにも、食事をする、太陽の光をあびる、歩いたり走ったりの運動、(手っとり早く)サプリを服用、などがあります。
 しかし、重要なのが「意識的に、集中的に」と言うことなんです。気が散った状態や「〜しながら」ではセロトニン活性の効果は得られません。

 ドラムサークルでは、最初の意識は受動的であった自分がだんだんと能動的に取り組むようになっていきます。それはセロトニンの効果(やる気がドンドン沸いてくる!)です。そしてドラムサークル特有の「リラックス状態でありながら集中すること」「参加者同士が気持ちを共感し合うこと」などによって、さらにセロトニンの分泌が増加します。そう、「意識的に、集中的に」という取り組みがより強くなります。spしてまたやる気がドンドン・・・身も心も健康に向かうスパイラルです。これが「キモチのいい」わけなのです!

 来年より、高齢者の健康づくり活動に協力させていただける機会を得ることができました。「セロトニン効果」をみなさんと共有して健康増進や生きがいづくりの場を共に創っていきたいと思っています。リズムを用いてちょっとした頭の体操をやったり、リズムにのって歌も歌えたり、あらゆるハプニングを笑いとばして楽しんでしまえたり、誰にでも初めてでも楽しめる時間を提供していきます。

 拙文、駄文、お読みいただきありがとうございました。

塩津知広 TOMOHIRO SHIOTSU 1965年福岡県北九州市門司区生まれ 長野県長野市在住 音楽講師 
1990~音楽教室講師として活動開始
2006年~「ドラムサークルながの」発足
drumcirclenagano@gmail.com
URL ドラムサークルながの