ロマンチスト

文 / 石井飛鳥

酒を呑み、
宵待草を摘み、
古い映画をつける。
銃弾に踊る犯罪者。
曖昧な空間周波数の中で足を絡ませながら、
君は明日が来るなんて本気で信じているのか。
街頭の照らす人の影が窓から入って大きく見える。
おとぎ話を捨て、また別のおとぎ話を生きる。
おい、なぜ、いま、電話を見つめるのだ。
そうだ、
あの犯罪者は、
美しかった。

石井飛鳥 Asuka Ishii
1985年東京生まれ
脚本家/演出家/写真家

虚飾集団廻天百眼主宰
廻天百眼の舞台公演において旗揚げから全作品の脚本、演出を担当。
オリジナル作品の他、丸尾末広原作の舞台版『少女椿』、寺山修司原作の『奴婢訓』、江戸川乱歩作品を融合した『悦楽乱歩遊戯』などを上演。
映画『東京残酷警察』のスピンオフシリーズの監督、宝生流能楽公演『葵の上』ナビゲーション台本なども執筆している。
次回作
2019年2月3日〜2月11日  舞台『闇を蒔く 〜屍と書物と悪辣異端審問官』脚本/演出

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