日記(2月20日)

文 / 疋田義明

やわらかな日射しの中で道の端、小さく山を作る灰色の雪。地面と接する底は溶けて水がちょろちょろとアスファルトを濡らしていました。冬のような春のような曖昧な空気の匂いの中で忘れていたように溶け残っていました。
遠くの方、街並みの奥に顔を出す山の肌には白く雪が見えました。川沿いの木々は緩やかに明るい緑へと色付く途中で、濁りのある深い緑をしていました。
雪は音を消していくようにふり積もるようですが。雨は街並みを音で薄く覆っていくように思います。
雪から雨に変わってゆく、今日この頃です。

疋田義明 Yoshiaki Hikita
1992年長野市生まれ
画家(無職)
2015年武蔵野美術大学油絵学科卒業
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