文 / 大谷祐
とても とてもとても 大きな気持ちですと あなたはわたしに 両手で やわらかな包みをくれた リボンは今 ほどかないでください 灰色の空から 薄紅色の粒がゆっくりと落ちてくる その一粒が わたしの鼻の先にとまり あなたの前髪の先にとまった それはぼやけて重なり やがて消えていった 季節はずれですね 可笑しいですね そう云って わたしたちは笑った とてもとても 大きな気持ちを 少しずつ分け合うようにして
とても とてもとても 大きな気持ちですと あなたはわたしに 両手で やわらかな包みをくれた
リボンは今 ほどかないでください
灰色の空から 薄紅色の粒がゆっくりと落ちてくる その一粒が わたしの鼻の先にとまり あなたの前髪の先にとまった それはぼやけて重なり やがて消えていった
季節はずれですね 可笑しいですね
そう云って わたしたちは笑った とてもとても 大きな気持ちを 少しずつ分け合うようにして
大谷祐 Yu Oya 1989年群馬県生まれ 詩人 oya-u.com