ブラックボックス

miyazawaikue14

文・宮澤織江 / 作品・宮澤郁江

8月はいつもなんだか哀しい気持ちにさせられる。お盆、終戦記念日…。
ここ数年は『目に見えない力』に動かされているように感じることが多くなった。
どちらかというとスピリチュアル的なことが苦手な私。
それでも誰もに備わった五感によってそう感じるのだ。

こんなことを思い出すようになったのは
父が他界してからだ。
父が他界してから、父のことをあまり知らないことに気付いた。
私の父親という目線から、1人の人間として人となりを知りたくなったのだ。
離れていると思いは募るものだ。
現実より少し美化された思いが募る。
そんな時の自分は純粋な気持ちでいっぱいだから好きだ。
家族でも恋人でも友人でもそう。
『死』とか『別れ』によって、全てがクリアになる。
生前どんなに憎しみ合っても、死によって許せるようになることもある。
死によってでしか許せない。
どうしたら生きている内に許し合えるのか、共存していけるのか、、、。
頭で考えても答えが繋がらなかった。
30余年で掻き集めた知識で理解できるものでなかった。
今はただ『何か見えない力に動かされている』ように感じている。ここまでだ。
この疑問が解けるのは10年後か20年後か一生解けないままか。
今後の大きな課題になりそうだ。

宮澤織江 Miyazawa Orie
宮澤郁江 Miyazawa Ikue
1984~鹿児島県生まれ 
長野市在住
会社員