泡女

文 / 船橋小夜子

電車のドア上に手をかけ、路線図を気だるげに指で辿る女。

立ちながら組んだ脚は50デニールくらいの黒いタイツに包まれ、長い髪は柔らかな白茶で、ギャル寄りのセクシーな装いに反し、ふわふわと夢うつろな雰囲気が妙な違和感を覚える。
今にも消えそうな儚さ。

車両のドアは空いていて、今にも落ちそうな。
何を辿っていたのか、女はとても楽しそう。

丸々と太った、、この鳥、なんていうんだっけ、ああ、すずめか。
屋上でお弁当を食べる人々。
すずめは丸々と太っている。
ゴミを捨てる。
食べこぼしたアスファルト。
掌に乗せたい。

船橋小夜子 Sayoko Funabashi
1984年青森県八戸市生まれ・東京都杉並区在住
クリエイター
2007年 東洋大学社会学部 社会文化システム学科 卒業
2009年 桑沢デザイン研究所 卒業
学生時代よりITコンテンツ企業にてモバイルサイトデザインを制作。
その後、呉服店勤務を経て、WEB関連企業でデザインをしながら
フリーランス・クリエイターとして活動。
info@funabashimisako.website
http://funabashimisako.website/