文・写真 / 船橋小夜子
人生で達成すべき最優先事項はすでに完了してしまった。
あと半分以上残っている生。
あまりに多すぎ、長すぎる。
長い。
長い。
有り余る生。
有り余って、余りまくって、持て余している。
逝き損ないの幽霊。
この世に未練はない。
もう、お腹いっぱいだ。
濃密な30年に胃もたれする。
しかし世の中、死ぬことのほうが何かと面倒なシステムになっている。
賃貸の家、年金、残高多めの奨学金、あらゆるアカウントの始末、遺品整理をはじめ多大な迷惑を被る親…
考えただけで萎える。
生も死も面倒だ。
はて、どうしたものか。
贅沢な時代の日本に縁あって生まれた私。
非常に、申し訳ない。
生も、分け合えて繰り越せたらいいのに。
船橋小夜子 Sayoko Funabashi
クリエイター
1984 青森県八戸市生まれ
2009 桑沢デザイン研究所 卒業
モバイルサイトデザインを経て呉服店勤務を経てフリーランス
funabashi335@gmail.com
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