女体

文・写真 / ごとうなみ

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陣痛の波をやりすごす身体の感覚
それはどんどんこの腹が
自身を遥かに超えた宇宙の星の量感になり
皮がもう1ミリでも膨れようなら
風船のように破裂すると
この腹が破けてしまう!と本気で思えるほどの緊張感と
それがまるで嘘のように消えていく脱力感を繰り返す

私の身体は女体だった
他界へと誘う女の性は
そのおおらかな行為で己を空っぽにする

体外へ生み出されたものは
命なら受け継がれ
糞なら活かされる

腹をえぐって己の女体を活かしてみせろと
彼女は私に伝えた

ごとうなみ Nami Goto 1969年生まれ 美術家
高校卒業後美術を始める。浦和造形研究所で油画を学ぶかたわら、東京立川市にある共同アトリエでウィンドディスプレイや内装、壁画、現代美術家の作品制作にたずさわる。
研究所卒業後、美術家斎藤義重氏率いる専門学校(旧TSA)に入学。翌年同校を中退し渡印。帰国後長野に拠点を移し発表を開始。
言葉、写真、タブロー、インスタレーションなどを表現媒体とし県内外で個展グループ展多数。
http://nami-goto.jimdo.com