ドラムサークルで使うもの

文 / 塩津知広

「ドラムサークルでは誰もが自分らしく自分自身であることができる」
「ドラムサークルの中で発現するアート(=自己表現)は予想を超えて感動をもたらす」
「ドラムサークルで気分爽快になるわけは(癒しの物質)セロトニンによる自身の活性化」

 今まで三回にわたってこの場をいただき、みなさまには以上の観点から「ドラムサークル」をお話させていただきました。
 四回目となる今回からは、より具体的にドラムサークルの中身を書いてみましょう。まずは「ドラムサークルで使うもの」です。

 ドラム・・・といきたいところですが、まずは”参加人数分のイス”が必要です。無くてもなんとかなりそうですが、ドラムサークルにおける最初の「自分の居場所」ですから私は不可欠だと考えています(その後の進行中に居場所は変わることもあります)。イスを円形に並べて参加者は円の内側に向いて座る、これがドラムサークルのスタート時の状況です。

 で、お待たせしました。ドラム・・・いう言葉から連想されるのは、やはり数々の楽器としての”タイコ”でしょう。ドラムサークルではとりわけ「(道具を使わず)手で叩く”タイコ”」を重用します。そのわけは「自分の出す音の変化をより皮膚感覚に近づけていたい」からです。「力いっぱい叩くと痛い」ことや「さわっただけで出てしまう音」は感じてほしいですね。手のひらや指を使うと(バチやスティックなどよりも)とても幅広く音を操ることができます。大きく小さく、かたくやわらかく、激しく優しく、明るく暗く、・・・。

 そして、”音の出る小物”です。カスタネットやタンバリンなどの楽器はもちろん、プラ容器にビーズなどを入れた”手づくりシェイカー”、イイ響きのする”その辺で拾ってきた枝や石”、お玉で叩く”フライパン”、ホーキで叩く”バケツ”、”スリッパ”で床を叩いたり用意した”イス”を叩くのもOK!

 さらに、ドラム・・・にダマされてはいけません。その他の楽器もなんだって使います。笛でメロディーを奏でる、決められたド・レ・ミの音階が出せるパイプを叩きリズムを刻む(ちゃんと気持ちいいハーモニーになるように!)、今日は”子ども用の鉄琴”なんかも使いました。いつかのドラムサークルでは”トランペット”は大勢のドラムにも負けない音でした、

 まさに”なんでもアリ”ですね。
 自分自身だってフル活用です。手拍子はとーぜん!カラダのどこを叩くかで出る音も違います。”声”を忘れちゃいけません、歌ったり喋ったり叫んだり吠えたり。あげくのはてに踊ってしまいましょう!みんなやりたくなってきたでしょ?

 最後に”笑顔”、そう、あなたの表情の中で最も魅力的な”笑顔”です。「さあ、いっしょに、楽しみましょう!」というキモチのあらわれ、コレがみんなを幸せにしてまた自分も幸せになります。元気を分け与えまた元気をもらう、コミュニケーションはこの”笑顔”から始まります。

 さあ、準備はできました。
 次回は「ドラムサークルはどのようにして始まるか」を書いてみようかな、なんて考えてます。

 拙文、駄文、お読みいただきありがとうございました。

塩津知広 TOMOHIRO SHIOTSU 1965年福岡県北九州市門司区生まれ 長野県長野市在住 音楽講師 
1990~音楽教室講師として活動開始
2006年~「ドラムサークルながの」発足
drumcirclenagano@gmail.com
URL ドラムサークルながの