文・スケッチ / 徳永雅之
「夢日記」
「ガラスの箱」2017年3月10日
黄金町は坂が多く、古い温泉街のような佇まいだ。財布も持たず、ぶらりと散歩。古い学校の施設のような建物に入ると、友人がそこにいて、僕に何かを教えてくれた。「生憎財布を持ってない」と言うと「男が財布も持たずに出歩くなんて」と、100年も前の男のような口ぶりで僕を諌めるのだった。近くで開催している、別の友人の個展を観に行くことにした。歓楽街を通ってゆく。やはり古い木造の教室のようなところが会場で、その中には大きなガラスで出来た箱状の物体が置かれている。友人はもうこの世の人ではなく、そのガラスの箱は、あの世とこの世を結んでコミュニケーションが出来る装置なのだそうだ。友人はガラスの中にぼんやりと現れ、何か挨拶のようなことをしてくれた。少し距離を置いて見ている我々をよそに、自ら箱の中に入って行き、彼と最もコミュニケーションをとったのは、うちの猫だった。猫は「にゃ~」と鳴いて、懐かしそうにガラスの中の友人に近づいていく。お互いに手と前足を伸ばし、触れ合おうとしている彼らを見て泣きそうになる。
「おみくじ」2016年12月18日
小学校高学年くらいの娘を連れた、ずいぶん前に付き合っていた女性と会った。彼女の娘とは初対面だったが,すぐに親しくなれた。
三人で妙な露天でおみくじを引いた。それはおみくじと言っていいものかどうかわからないようなもので、様々な筆跡と大きさの手書きのメモのような紙が、蓋もしていない箱に入っている。それらは皆、変色し、くしゃくしゃになっていた。僕が引いたものは、どうやら「凶」のようなものらしい。色々書いてあるのだが,内容が支離滅裂で、何が書いてあるのかわからない。ところどころ濡れて文字が滲んだり,シミがあったりして、とてもキタナい。
「松浦亜弥のステージ」 2006年1月
彼女が歌っているすぐ横で僕は椅子に座っている。1mも離れていないので、彼女のヘソを出しているお腹の辺りばかりが視界に入る。
「パフォーマンス」2016年2月16日
友人が経営している造形スタジオはガラス張りの現代的なものになっていた。その入り口を破壊するパフォーマンスがあり、社員達がその前に集っている天井まであるガラスが割れる瞬間は圧巻だった。
「黒く長い犬」2016年11月3日
道を歩いていたら黒い蛇のように長い犬を散歩している女性がいた。黒い毛の生えた蛇といった方がいいが、これは「犬」なのだ。リードでつながっている顔を恐る恐る見ていたら、フラミンゴのような顔だった。しゃがんで写真を何枚か撮らせてもらった。飼い主の、サングラスをかけた白人女性と少し話をして、彼女の家でお茶をいただくことになった。犬の名前はホライズンと言うそうだ。
「眼医者」2016年8月12日
目医者がいきなり僕の眼の眼圧を測りだした。「7,9,、、やっぱり高い!」そしてとても急ぐように、僕に目を上を向いているようにと、命令口調で言った。「行くぞ、、3,2,1、、」眼球の下の方から深く注射を打たれた。もう片方もだ。「3,2,1,」と言いながらも、こっちの方の目にはなかなか打たない。でも結局はぶすりと打たれてしまった。
「吉井和哉の大ファンの男の子」 2016年11月16日
何処からか流れてくる、吉井和哉の曲に合わせて、嬉々として歌う小学生の男の子。歌詞も完璧に覚えてそうだ。僕はその横で、疲れてるがちょっと良い感じで、遠い目をしたその子のお母さんの胸元を見る。
徳永雅之 Masayuki Tokunaga
1960年 長崎県佐世保市生まれ 埼玉県桶川市在住
画家
http://www.tokunagamasayuki.com/
徳永雅之展
2017年5月26日(金)〜 6月6日(火) 休廊日なし
ART TRACE GALLERY
〒130-0021
東京都墨田区緑 2-13-19 秋山ビル1F
イベント
テクノ・連協ライブ(入場無料)
6月3日(土)17時〜
テクノ・連協
森田亮( G,Vln.Vo)徳永雅之(Dr)によるユニット
ナガノオルタナティブ2017 -プリベンション-
徳永雅之展
2017年7月1日〜7月29日
FLATFILESLASH Warehouse Gallery
トポス高地2017
徳永雅之展
2017年9月
@アリコ・ルージュ
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