ザ・バンド

osamekazuya15

文・画像 / 納和也

ザ・バンドは当たり前だが洋楽である。ザ・バンドはカナダ人のバンドである。アメリカ音楽をラジオによって知りバンドを始めたわけだ。英語圏に産まれたのが幸運でストレートなロックンロールを演奏できる条件に合った分けである。では日本人がこれを出来るかといえば難しい。なぜなら日本人は日本国内に向けて音楽を作らなくてはならない宿命がある。そのためストレートなロックンロールを演奏するのにそこからハードルがある訳である。所謂洋楽を日本人は理解など出来る訳でもなくただただ音として流れてそれを洋楽好きな日本人はそれをカッコいいという訳である。日本人がカバーしてもその英語と音のグルーブは絶対に理解など出来るはずもないのである。それぞれの楽器のミックスもそのグルーブ感がなければ理解も出来ないのである。日本人で洋楽の凄さを理解しているのは山下達郎と細野晴臣である。浴びるように洋楽を聴きまくってる人達。我々日本人が出来る事はとにかく聴きまくることである。音を歪曲して自分の悩みと結びつけるなどとても愚劣である。アメリカ人の我々が思う音楽はビーチボーイズ、イーグルスなどなど。音は詩の為の道具ではないのである。アメリカンミュージックの有名なエンジニアにフィルスペクターという人物がいる。こういう人がいるのを知れば歪曲など決して出来ないのである。何故なら音それ自体は完成されているのだから。日本人はただただレコードを聴きまくって分析するべきである。でないと十年立てばもはや通用しない普遍性の欠けた音を生み出すだけで、時代がずれればただただ悲しい懐メロになるのが関の山である。このザ・バンドの音楽は日本人に共鳴する部分は一切ない。だから洋楽なのである。これからの自分も英語を勉強して音そのもののバタ臭さを会得するしかないようである。悲しいけれど日本人には洋楽を理解をする事は絶対出来ない。

納和也 Kazuya Osame クリエイター
1971年埼玉県熊谷市(旧妻沼町)生まれ
http://osamekazuya.com

2015 11/21~12/19 「紙と鉛筆」 @FFS_lounge gallery