わたしのあたまのなか

文 / 黒岩万紀子

あらゆる煩悩を捨てて
無(む)の私でいよう

なにもかんじない。
かんじないから、痛くない。
味わうこともしなくていい。
先のことなんて考えなくていいの。
心配しなくていいの。

たとえば
くるまを運転するときは
目的地まで集中するの。

あたりまえ?

でも、あなたはできているの?

あなたをじゃまするもの、あたまのなかに出てこないの?

わたしはよく出てくるのよ。

楽しいことは

いくらでも味わおう。

頭の中を楽(らく)で充たそう。

明日が来る保証はないのだから。
あしたがくるほしょうはないのだから。

黒岩万紀子 Makiko Kuroiwa
1984年長野市生まれ
会社員