男前

文 / 山本正人

「あ〜、こうしたいな。」

本当に?

逃げ腰の思考。

どれが良いの?

分からない。

結局、何が嬉しいの?

幸せを感じる事。

幸せって?

・・・・。

堂々巡り。

薩摩の教えに「男の順序」というのがあります。

一、何かに挑戦し、成功した者
二、何かに挑戦し、失敗した者
三、自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
四、何もしなかった者
五、何もせず批判だけしている者

さすが江戸から明治へ、日本を動かした人たちの言葉は、
ノミほどの存在の私も強烈に自尊心を揺すられます。

九州男児という言葉を当時の薩摩藩士たちが牽引するくらい、
この教えに男気を感じます。

二、何かに挑戦し、失敗した者

失敗しても二番目。

日頃、私の子ども達は、
どんな事に対しても好奇心をむき出しにして自分でやりたがります。

だから、子ども達は二番目以上なんですよね。

それを押さえつける親にだけはなりたくない。

難しいのは、可愛さのあまり、
心配のあまり、違う道理を教えてしまう事。

あ〜、痛いとこ突かれる。

こんな時は頑張ってお口チャック。

ちょっと不安なのは、
娘たちが男前になってしまうことだけ。

山本正人 Masato Yamamoto 1976~
群馬大学教育学部卒 長野市在住