文 / 宮下真美
「水戸岡鋭治展」がスタートした。
開館二十周年を記念しての、ちょっと大規模な展覧会なのである。
6月26日まで、約2,000点の作品が並ぶ。
水戸岡鋭治さんといえば、鉄道のデザインが有名だ。
もちろんそれだけではないので、いろんな人が楽しめると思う。
私はこの展覧会の担当でありながら、誰よりもこの展示を楽しみにしていた自信はある。
私は鉄道マニアではない。
ただ、長電で運転士をしていた祖父の影響か、鉄道は嫌いではない。
今も電車で通勤しているのは、何かの縁なのかもしれない。
運転士をしていた祖父の姿は見たことはないが、定年後も駅の係員を臨時的につとめ、泊まりの勤務の時は、駅によくお弁当を届けに行った。そこで、古い使用済みの切符をもらったり、お金のおつりの機械をさわらせてもらったりもした。
祖父が亡くなって2年になる。
もし生きていたら、がんばって車椅子を押して、私は展覧会の会場に祖父を連れて来ていただろう。
宮下真美 Mami Miyashita 1984年長野県須坂市生まれ おぶせミュージアム・中島千波館学芸員
o.museum@town.obuse.nagano.jp
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Very valid, pithy, suciccnt, and on point. WD.