文 / 疋田義明
街を分断するように流れる川。そこにかかった橋の上を自転車で走っていました。川の上流へ目を向けて行くと、遠くに黒く山肌を見せながらもまだ先端を白くした山々のギザギザが見えました。そんな川の周りの形が少し変化していました。雪解けの水でしょうか、川端が広がっていました春の始めのあたり。そこから徐々に陸地が増えていました。少し前までその土の上には何も生えていないように見えていましたが、もう小さな木や蔓にまみれ、緑の凸凹のカーペットになっていました。何が何やら分からなく絡まりあってしまい、緑に燃えているようで暑苦しいようでした。この時期になりますと、川の周りの木々に、白く細かな花やら綿毛やらが点々と緑の中に見えてきます。その綿毛が風に流され橋の上を飛んできます。年によって飛んできます量が変わりましてひどい年は、橋の上を自転車で行きますと頻繁に顔にぶつかってきます。ついでに黒い蜂達もぶつかって死んでいきます。今年はそんなこともなく、ほっとした今日この頃です。
疋田義明・Hikita Yoshiaki
1992年生まれ
長野出身
無職(画家)
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