日記(2018年2月25日)

庭の絵、318x409mm、キャンバスに油絵具


文・絵画 / 疋田義明

遠く向かい岸に乗った四角い建物が小さくぽつぽつと、水平線上に見えていました。点々とちぎられたような雲が空の青い中を流れていて、氷の覆った湖面が青白くありました。氷の表面は白く泡立つような亀裂が所々に通っているのが見えました。地上を占める広がった氷から発せられる、皮膚に染み込んでくる冷気の中で、ぼんやりと向こう岸まで続く氷の亀裂を眺めていますと。白くうねりながら伸びる蛇の死骸のようにも思われるようでした。
どこか心細く向こう岸に伸びる亀裂は、本当にあちらまで繋がっているのか、途中で途切れてしまいそうな不安によってかえって向こう岸へと意識が持っていかれるように思いました。

疋田義明・Hikita Yoshiaki
1992年生まれ
長野出身
無職